皆さんは「胃ろう」はご存知でしょうか?
きっとご家族か親戚で経験しない限りはあまりご存知ないのではないでしょうか?
「胃ろう」とは口から物を食べられなくなった人が内視鏡を使って腹部に小さな口をつくって直接胃に栄養を送り込むというものです。
こうすると口から物を食べられなくなっても患者さんが生き続けられます。
今、高齢で認知症が進み、食事を摂ると食物が食道から気管支に入って誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いと判断された患者さんは医者から「胃ろう」を勧められるようです。
しかし
これはどうも病院側の勝手な都合によるものが大半らしいのです。
じつは
「胃ろう」を付ければ患者の食事の手間が省けるからです。
つまり食事の世話が効率的にできるからです。
さらには
患者の寿命が延びるので、その分、医療費、介護費からの収入が維持できるというのです。
ちなみに「胃ろう」がどれだけ儲かるかという試算があります。
なんと
医療費と介護費の合計で一人あたり年間500万円もの売り上げが確保できるようです。
もともと「胃ろう」は高齢者の延命のために開発されたものではないようです。
なんらかの理由で食事が摂れなくなった若い重篤患者のために開発されたものらしいのです。
それが日本では簡単にできて効率がいいという理由で高齢者に使われるようになったようです。
高齢者が「胃ろう」を付けることで回復できればいいのですが、ほとんどの場合は死期を延ばすだけの効果しかないようです。
それもいったん付ければもう外せないことがほとんどだそうです。
もちろん
回復して食物が口から摂れるようになれば「胃ろう」は外せます。
しかし
高齢者の場合は例外を除いてほとんどないようです。
それよりもいったん「胃ろう」を付ければ最終的には寝たきりで意識が薄くなり手足の関節も固まってくるようです。
そして
最終的に亡くなったときにはやせ細って人間とは思えない悲惨な姿に変わってしまうみたいです。
なんか辛いですね。
じつは
欧米の病院では高齢者の胃ろう患者はほとんどいないようです。
つまり高齢者への「胃ろう」は行わないようなんです。
それにはある理由があります。
それは
「胃ろうは人間の尊厳を損なう」
という考えからなんです。
人間は終末期を迎えたら口から食べられなくなるのが当たり前です。
ですから
「胃ろう」や「栄養点滴」で人工的に延命を図るのは逆に「老人虐待」と同じことだと欧米では捉えています。
だから欧米では「胃ろう」はあまり行なわないようです。
誰でもいつかは老いて死んでいきます。
人間というのは誰しも死ぬ間際になると物を食べなくなり水もほとんど飲まなくなります。
つまり
死を迎える準備に入るみたいです。
じつは
飲食しないから死ぬのではなく死ぬから飲食しないようなんです。
死ぬ前はお腹も減らず、喉も渇かない。
そして、自然に死んでいくようです。
それこそが自然死なんでしょうね。
以前、中村仁一さんの「大往生したけりゃ医療にかかわるな」をご紹介しましたが
『自然死は餓死なんです』
と言われています。
餓死というと響きは悲惨に聞こえますが餓死は安らかな死だとも言われます。
やはり私たち人間も宇宙と同じく完璧なんですね。
飲食しないようにして自然と死を迎える準備をして安らかな死を迎えるようになっているのでしょうね。
安らかな死の準備をしているところに人工的に無理やり水、空気、栄養まで与えられて生かされるのはどうなんでしょうか?
もしかして
本人にとってはそれは苦しみなのかもしれません。
「胃ろう」は自然死を邪魔するものになるかもしれません。
皆さんも「胃ろう」についていろいろと勉強してみてご自分でもそれなりに理解してください。
そして
「胃ろう」をよく知って自分が高齢になったら「胃ろう」をしたいのか?
また
家族に「胃ろう」をした方がいいのか?
それらを考えた方がいいのかもしれません。
すべてを医者任せにしない方がいいと思います。
そして
ご自分は「胃ろう」で人工的に生かされるのを望むかどうかをご家族に伝えておいた方がいいかもしれませんね。
もちろん
「胃ろう」で生きるのもひとつの生き方です。
悪くありません。
どちらが正しいかはないと思います。
このブログを読んでいただいたあなたにたくさんのいいことが起こりますように。
お勧め本
「大往生したけりゃ医療にかかわるな」中村仁一著
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